解体工事を検討しているけれど、実際に何から始めれば良いのか、どういった流れで進んでいくのか、知り合いにやったことがある人もいないし分からない、という人は大勢います。
そこで今回は、特に解体工事の流れ、それぞれの工程で重要となる事柄について解説していきます。
これを読んで、解体工事の全体像と、大事なポイントを把握しておきましょう。
解体工事に関する相談、見積もりの段階です。
一社だけではなくて、複数の業者に見積もりを出してもらうのがおすすめです。
そのなかで、最も誠実で信頼できるところを選ぶようにしましょう。
大抵の業者は、電話で大体の見積もりを出してくれます。
ただし、電話での見積もりはあくまで大体です。
実際に現地に来てもらって正確な見積もりを出してもらうようにしたほうが良いです。
その際に業者と立ち会って、内部の処分品なども見てもらいます。
じかに業者の対応を見ることによって、信頼できるかどうかの判断材料にもなります。
建物の面積や建物以外の撤去物を見ることによって、正確な見積もりが可能になります。
電話での見積もりだけだと、契約時に金額の違いでトラブルになることがあります。
現地調査のときに、家の前の道幅や搬出動線、近所への干渉など詳細に工事着手後の問題を検討、報告してくれる業者が望ましいです。
お金以外のことに関わる調査をしっかりとやり、問題発生の可能性や、その予防策などをきちんと説明してくれる業者は、誠実で信頼ができます。
現場調査をしてもらっても、基本的に見積もりは無料です。
見積もりをしてもらって、信頼できる業者がみつかったら、いよいよ契約を結びます。
依頼をする旨を告げれば、家まで担当のスタッフが来てくれます。
そこで、正式な見積書を見せてもらいます。
しっかりと自分が思っていた金額と相違がないかどうか確認をします。
注意をしておかなければいけないのは、追加費用の存在です。
見積もりを出されて、契約をしていても、後に追加で費用が発生することがあります。
その多くは、地中障害物があった場合です。
地中障害物というのは、建物の地中に埋まっているコンクリートなどのことをいいます。
この地中障害物の存在は、現場調査の段階で判断することはできません。
実際に解体工事をして初めてその存在を認識できます。
契約書には、地中障害物を別途とする旨が記載されています。
この点についても、請負契約時に確認しておくようにしましょう。
もちろん、地中障害物が必ずしもあるとは限りません。
解体工事をしていて障害物が出てこなければ、それについて追加の費用がかかることはありません。
契約の際の見積書は、業者によって書き方に違いがあります。
具体的にどの項目にいくらかかるか、といったことを細かく記載するところから、必要最低限のみで簡略化している業者もいます。
このうち、やはりそんなこと聞いてなかった、と後からならないためにも、何にいくらがかかるのかを、1つひとつ明確に載せている業者のほうが信頼できます。
見積書を出してもらったからといって、契約をしなければならない、ということはありません。
見積書の内容、あるいは書き方に納得できない場合には、ここで契約をやめる、というのも大いにアリです。
また、これは一般的にですが、見積書が明確に細かく書かれている業者は、その後の工事も丁寧でしっかりとやることが多いです。
逆もまた然りだといえます。
見積もりが安いからその業者にするのではなくて、見積もりが詳細かつ明確に書かれているか、ということも指標にしましょう。
見積もりをもらって業者を選び、契約に到るまでに相当の日数がかかることもあります。
少なくとも工事開始希望日の3ヶ月前には、見積もりを依頼するなど業者選定に着手するのが望ましいです。
いざ解体工事が始まると、大きな音や揺れ、粉塵の飛散などが発生します。
これは、近所の人にとってみれば迷惑以外の何物でもありません。
何も知らずに、急に隣の家で激しい音と振動が始まったら、近所の人は驚くでしょう。
窓を開けてみたら、どうやら解体工事を始めている、でもなんの挨拶にも来てないじゃないか、いきなり工事を始めるなんて非常識だ、と考える人も少なくありません。
そこで、契約をしたら一日でも早く、近隣の人に挨拶に行きましょう。
普通の業者であれば、業者の方が近所に挨拶廻りをします。
そのときに、挨拶状を作成したり、タオルなどの粗品を添えることも多いです。
もちろん、業者が挨拶に行ってくれたから自分は行かなくていいや、ということにはなりません。
業者の方の挨拶だけではなく、施工主も挨拶に行くのがマナーです。
解体工事の際に、ガスの配管や電気の配線が通ったままだと、大きな危険を伴います。
そこで、施工主のほうで、工事の前に配管や配線の撤去を済ませておく必要があります。
水道も撤去したほうが良いのだろうか、と疑問に思う方もいます。
水道については、撤去しないケースが多いです。というのも、工事中は粉塵などが巻き起こることから、作業員が使用するためです。
業者によっても変わりますから、念のため水道についてはどうするのか確認しておくと良いでしょう。
解体工事は、一階部分だけを取り壊して次に落ちてきた2階を、なんていうやり方ではありません。
実際に2階以上の高さに人が行って、外部から着手する必要があります。
そのため、足場の仮設が必須です。
また、工事の際の粉塵や埃などを周囲に撒き散らさないようにするために、養生シートを家の周りに張ります。
このシートが破れていたり、一部にしか張らない業者がいます。
こういった業者はダメです。
しっかりと手入れをされたシートを隙間なく張る業者でなければいけません。
いきなり建物本体の解体を始めません。
最初は、建物の内部や周辺物の撤去から行います。
意外だ、と感じる人もいるかもしれません。
多くの人は、解体工事というと、重機で建物をぐしゃり、と潰すイメージを持っているからです。
もちろん、それも間違っていませんが、まずは分別から始めます。
それが法律で決まっているからです。
たとえば、畳や断熱材、内部造作を撤去していきます。
特に問題となるのは、建物周囲のブロック塀です。
ブロック塀は、何世代か前など、昔に造られたものであることが多いです。
隣家か自分のうちか、どちらが所有者なのか、あるいは両方ともが所有者なのか、これが明確でないことがあります。
もしかしたら、隣家は特に法的な根拠がなくても、自分の家のものだと思っているかもしれません。
仮にそうであったとして、急に工事が始まって自分の家の塀(だと思っていた)が壊されたらどう感じるでしょうか。
烈火のごとく怒って、文句を言ってくるかもしれません。
最悪、裁判沙汰になってしまい、もう関係修復が出来ない状態になってしまうこともありえます。
ですから、独断でブロック塀を解体してしまうような業者ではなくて、しっかりと所有者を確認したうえで実行するところを選んでおくことが、前提として大事になります。
多くの人が抱いている、解体工事といえば、のイメージ通りの工程です。
水を撒いて埃が舞うのを防ぎながら、重機で解体していきます。
マニフェスト制度という廃材処理の流れに沿って、適切な分別や搬出を行います。
木材や鉄、プラスチック、コンクリートなどに分けて、処理します。
地中に廃材が残っていないか、確認を実施します。
その後、地面を平らにして綺麗にします。
整地の際には、その後の用途に従って、アスファルトや砕石を敷くことがあります。
この整地がしっかりとなされているかどうかで、更地の価値が変わってきます。
今回は、特に解体工事の流れと、それぞれの項目で大事になってくるポイントを解説してきました。
工事は、一度始まれば、後は業者のマニュアルに沿って進んでいきます。
あらかじめどの業者を選んでおくか、ということが非常に重要です。
今回挙げたポイントを意識しながら、特に見積もり、契約の段階で業者に質問をして、回答を得ておくと良いでしょう。
そのうえで、一番信頼できる業者に依頼するのがおすすめです。