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解体工事の養生とは?特徴や必要性などについて解説

解体工事を予定している人の中には、養生作業について気になった方もいるのではないでしょうか。

解体工事現場ではさまざまな方法で養生を行い、施主にとっても関係のある作業内容です。
しかし多くの方は安全対策のための措置など、漠然としたイメージ以外にないかと思います。

養生はさまざまなリスクを抑えるために役立っている作業で、周辺住民や作業員などの安全を守るために大切な作業です。

今回は解体工事選びで悩んでいる方や「養生」が分からない方に向けて、解体工事における養生の役割や必要性、種類や特徴を分かりやすくご紹介します。

解体工事の養生とは

解体工事の養生とは何か、概要や主な役割をご紹介します。
養生の重要性を理解することは、知識を身に付けるだけでなく解体工事業者の比較検討にも役立ちますよ。

解体工事における養生の意味

解体工事で用いられる養生とは、安全対策の一環として解体現場周辺をシートで覆ったり囲ったり、水や鉄板などを使用してホコリや粉塵の飛散を防ぐ作業全般を指します。
他にも解体時に発生する廃棄物や工具が、近隣住宅や住民などに直撃しないよう防護する役割もあります。

また、養生シートとは、養生作業に使用するシートのことです。

養生シートの特徴

養生作業に使用されている養生シートは、周辺地域への粉塵やホコリの飛散防止をはじめ、解体時の作業音を抑える効果や安全対策など複数の役割を持っています。

養生シートは解体工事業者が所有・管理している備品で、足場組立と同時に養生シートを設置します。
また、建物を囲うのが基本です。

養生シートを足場に取り付ける

養生シートを使用した対策の1つは、足場に取り付けて安全対策を施すことです。
解体工事だけでなく、建設現場でもよく見かける養生方法でもあります。

建物の周囲に足場を組立てて、その後足場に沿って養生シートを取り付けます。
そうすると建物から発生する粉塵やがれきの破片を、隣接する建物や設備、通行人へ影響を与えないよう防止可能です。

多くの解体工事業者は工事前に足場シート養生と呼ばれる方法を行うので、そもそも養生シートを用意していない業者は悪質なケースと考えましょう。

養生シートで建物を囲う

養生シートは、足場を使用せず建物を囲う方法もあります。
仮囲い養生と呼ばれる方法で、パイプを組んで建物全体を囲い、さらにパイプの上から養生シートを取り付ける仕組みです。

ちなみに仮囲い養生は養生シート以外にも、フェンスやネットを使用した方法もあるのが特徴です。
仮囲い養生は、足場に取り付ける方法と同じく、粉塵などの飛散防止や安全対策など効果を期待できます。

シート以外の養生もある

解体工事業者が行う養生は、シート以外にもさまざまな方法を活用しているのが特徴です。
後半で詳しくご紹介しますが、散水や鉄板など複数の方法で騒音や粉塵の飛散防止など、養生シートと共通した役割もあります。

また、解体工事費用には養生も作業項目に含まれているので、見積りを確認する際にどのような養生を行っているのか確認してみましょう。

解体工事で使用する養生シートの種類

続いては、解体工事で使用する養生シートの種類を、3つご紹介します。
養生シートは、目的に応じて使い分けて安全対策を施します。

解体工事業者に依頼する時は、養生シートを適切に使っているかどうかも確認しましょう。

防音効果のある養生シート

養生シートの種類1つ目は、防音効果を持ったシートです。
遮音シートとも呼ばれていて、解体工事の際に発生する大きな音を、周辺地域へ広げないよう抑える効果を持っています。

特に解体現場と近隣住宅・建物との距離が近い、密集地帯で用いられる養生シートです。
防音シートは防音効果を発揮するために、布を厚くしたり密度の高い作り方にしたりしています。

近隣の地域へ特に騒音の影響を抑えたいと考えている方は、見積り時に解体工事業者へ防音について相談・確認してみましょう。

耐火性に特化した養生シート

養生シートの種類2つ目は、防炎・耐火性に特化したシートです。
燃えにくい素材で作られているのが大きな特徴で、消防法で定められた防炎物品として販売されているタイプもあります。

また、養生シートの中には、難焼性や不燃シートなどいくつかの種類に分かれています。
難焼性とは燃えにくい素材のことで、不燃性とは燃え続けない素材のことです。
どちらも燃え広がらない目的で作られていて、耐火性にも優れています。

メッシュでできた養生シート

養生シートの種類3つ目は、メッシュシートです。
メッシュとは格子のような構造を指します。メッシュ構造の養生シートは、風を通しながら一定の破片や粉塵の飛散防止もできるのが強みです。

たとえば風が強い地域での解体やビル解体など、風の影響を受ける場合に役立ちます。
また、光を通しやすいため、採光性にも優れているのが特徴です。

シート以外の養生方法

ここからは、養生シート以外の養生方法などを分かりやすくご紹介します。
解体工事業者が活用している養生方法は、養生シートだけではありません。

見積り時に、どのような対策を施しているのか理解するためにも、さまざまな養生方法を押さえておきましょう。

散水による養生

解体工事現場で用いる養生方法の1つは、散水・水まき養生です。文字通り解体工事現場や、現場周辺に水をまきます。

そして水をまくことで得られる効果は、主にホコリや砂、粉塵などの飛散防止です。
乾燥している状態では、塵やホコリ、解体時に発生したコンクリート片や粉塵が空気中に飛んでいます。

水をまく箇所は、主に解体予定の床や壁などです。

鉄板を敷く

養生は粉塵飛散の防止だけでなく、解体作業現場の安全確保も含まれています。
鉄板を敷く養生は、解体作業の通路確保や重機の足場確保などを目的としているのが特徴です。

養生に使用する鉄板のサイズは、1m単位と大きく重量200㎏~1tの範囲で製造されています。
また、敷くタイプの養生は、鉄板以外にも硬質プラスチックやゴムマットなどで作られた素材もあります。

シートを含む仮囲い養生

仮囲い養生は養生シートで囲う方法以外にも、ネット式フェンスやパネル、防音パネルなどさまざまです。
解体工事現場によって養生方法は変わりますし、解体工事業者ごとに考え方や保有している養生用品に違いがあります。
素材は違いますが用途は同じで、防音や粉塵の飛散防止などに期待できます。

養生シートの義務や範囲とは

解体工事業者を比較検討する際は、養生シートを保有しているだけでなくルールを順守しているかどうかも重要なポイントです。

ここでは養生シートに関するルールや、養生範囲などを解説するので比較検討時の参考にしてみてください。

解体工事の養生は義務ではない

解体工事において養生は、作業をスムーズに進めたり近隣への影響を抑えたりなど、さまざまな役割を持っています。

しかし、解体工事業者は、養生に関する法的な義務はありません。
そのため養生を行わずに解体工事を始めても、養生なしに対する違法性はありません。

一方、国土交通省が作成した建築物解体工事共通仕様書では、養生を含む解体工事に関する仕様(ルール)をまとめています。

つまり、養生を含めた適切な解体工事は国が示しているので、建築物解体工事共通仕様書を無視した解体工事業者に依頼するのは避けるのが賢明です。

一般的な養生範囲

養生範囲や面積・形については、建築物解体工事共通仕様書に記載されていません。
しかし、一般的に解体工事では建物を全て囲みますし、高さ方向でも余裕を持った養生を行います。

解体工事業者の見積書には、養生の高さなどを記載していることが多いので、できる限り事前に確認しておきましょう。

また、養生だけでなく、水をまく作業員や安全を目的とした監視員などの人数や、配置計画も適切に行う必要があります。
見積書だけでは確認できないため、直接聞いてみることもおすすめです。

解体工事業者の養生と注意点

解体工事業者に依頼する際の注意点を、養生という観点から簡単に解説します。

古い養生シートを使用していないか

解体工事業者が古い養生シートを使用している場合は、なるべく他の業者を検討しましょう。
養生シートが破れていたり破損していたりしていては、粉塵やホコリなどの飛散を抑えられません。また、安全面でも充分な状態とはいえません。

ただ、施主側で確認の難しい部分のため、他の側面から優良業者かどうかを判断しましょう。

解体工事における養生は安全対策やスムーズな解体工事に欠かせない作業

解体工事業者が実行している養生とは、解体に伴って発生する粉塵やホコリ、砂ぼこりや破片などの飛散防止、騒音対策、安全対策などを担っています。

養生の方法は、養生シートを使った仮囲い養生や水まき養生、敷き養生などさまざまです。
そして養生に法的義務はありませんが、安全対策という側面で重要な作業です。

しかし、一般の方が1社ずつ調べても、判断が難しく時間も非常に掛かります。
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